猫の地球儀 ~ピーター・アーツVSガリレオ・ガリレイ~
真っ先に書こうと思っていたタイトルがこれ。
個人的なライトノベルランキングではトップ3には絶対に入る作品。年に1回くらいは読み返しています。
この内容で椎名優のイラストというのは、もしかしたら賛否両論ある(あった)のかも。今となっては、これ以外のイラストは想像できませんけどね。
「トルク」と呼ばれる人工衛星は「大集会」という宗教組織の統治の下、猫たちが電波を使ってロボットを操り、日々生活しています。
主人公の1匹である焔(ほむら)は、「スパイラルダイブ」という無重力格闘技の選手で、13回目の相手として最強のダイバーである斑(まだら)に挑むのだが……というもの。
ここまで書くとロボットアクションと思われそうですが、中身は結構しっかりSFです。あの星雲賞の最終候補まで残ったほど。
(後に、作者は別の作品で同賞を受賞しました。この作品についてもいずれ)
私は基本的に、活字であれ映像であれ「感動して泣く」ということがないのですが、これはその数少ない例外です。
号泣まではしないものの、読むといまだに目頭が熱くなります。
猫なのに、いや猫だからこそ、キャラがしっかり立っています。
下手に擬人的な表現が使われているわけでもなく、猫ならではの描写が巧みで、でもやっぱりどこか人間くさい。
音声で会話しないロボットたちでさえ、それぞれが愛すべきキャラです。
初めて読んだのは確か中学生のころでしたが、その当時でさえ、クライマックスでのクソ坊主の説教は胸に響きました。
もっと幼ければ「うるせーよジジイが!」とか思ったんでしょうけど。
かといって、言われる幽(かすか)の気持ちも分かるし……と、ある意味、もっとも切ないシーンです。
秋山瑞人の作品は短編も含めてすべて読んでいますが、あと2作はどこかのタイミングでまた触れます。
EGFマダー?
懐かしのライトノベル(うろ覚え)紹介
S60生まれのザ・アラサーです。
最近、実家に帰ったときに大量のライトノベル蔵書を発見し、懐かしくていろいろと手にとってみました。
三月、七日。
このあたりのタイトルに反応した人は、飲みに行きましょう。
パラパラめくっているうちに、同好の士と語り合ったり、共感してもらったり、若い人が歴史(というと大袈裟かもしれませんが)を知るきっかけになったりする場があればな、と思いました。
それが、このブログを立ち上げたきっかけです。
個人的な懐古趣味がかなり混ざりますし、作者やタイトルにも偏りがあるとは思います。
それでも、あの時代を思い出す、あるいは知る端緒になれば幸いです。